「イタリアのまぐろ祭り」 鈴木 秀子 さん (静岡県在住 主婦)

イタリアのサルヂニア島を知っていますか。この島は、地中海ではシシリ島についで大き

いのですが、日本人には馴染の薄いところでしょうか。この島の南西部にある小さなサン

ピエトロ島では、地中海で現存する数少ないクロマグロの定置網がまだ操業を続けていま

す。この島のカルロフォルテという町で、まぐろ祭りが開かれます。日本の各地や台湾の

東港でもまぐろ祭りが行われていますが、当地のまぐろ祭りは多彩です。私が訪れた時に

は、世界各地からシェフを招き、まぐろ料理を日替わりで3日間ほど試食させていました。

参加希望者は夫々に好みの国の入場券を買い、料理人から料理やその国の歴史や文化など

の説明を受け、試食をしながら質疑をします。チュニジアの料理の日には、スパイスの効

いたアラブ風のまぐろ料理とともに、民族舞踊も披露され、とても賑やかでした。祭りは、

まぐろ料理だけでなく、町にはワインや農産物などを売る出店が立ち並び、祭りを盛り上

げていました。さらに、土地柄で、ローマ時代の古代料理の復元や、まぐろに関する研究

発表会なども開かれていました。この祭りで圧巻であったのは、まぐろ尽くしの夕食会で

した。出てくる料理は全て徹底的にまぐろを素材としたもので創作料理も出たりして、一

晩4〜5品は出され、3〜4日間続きます。最初のうちは、どれもこれも珍しくどんどん

食べられたのですが、3日目にもなりますと、流石にまぐろ臭が気になり始め、まぐろの

チョコレート掛けが出るに及んで、ついに次の日は欠席しました。それでも今も忘れられ

ない一品があります。それは、クロマグロのオオトロのステーキで、程好く焦げ色を付け

て、たっぷりのオリーブ油を加え、完熟トマトの細切りを上に散らしてありました。緑の

オリーブ油と真紅のトマトの対比も鮮やかで、とろける様な味でした。美しい自然と人情

温かい人々で盛り上がる素晴らしいイタリアのまぐろ祭り、思い出す度に又行きたくなり

ます。