「国境を越えたマグロにぎり寿司」 原 多慶男 さん (秋田県在住 無職)

 一昔前の話です。仕事の都合で1970年より約6年間、カナダ東部の大都会モントリ

オール市で生活していました。モントリオール市はケベック州最大の街で、住民の大多数

はフランス系です。フランス風一色と言っても過言でありません。

 今でこそ、カナダ東部の都会でも「にぎり寿司」相当ポピュラーになっており、手にい

や口に入りやすくなっていると思います。しかし1970年代前半、日本料理店何軒かあ

ったモントリオール市ですが、「にぎり寿司」を提供してくれる店、残念ながらありませ

んでした。

 仕事の関係でニューヨークへの出張よくありました。流石ニューヨーク、日本人も多く

住み、更に世界有数の大都会「にぎり寿司」提供する店相当数あったと記憶しています。

マグロを中心とした寿司好きの者として、ニューヨーク出張の都度、できる限り寿司店に

立ち寄ったものです。

 心の中で寿司店と競争になってるのがイタリヤ系移民が経営するイタリヤ料理店180

0年代スタートの伝統ある店少なからずありました。結局7対3位で寿司店の勝ち、やは

り日本人の所為でしょうか。

 ニューヨークからの帰り大体が最終便、それは夕方ブロードウェイあたりの寿司屋で最

終便ぎりぎりまで一杯やってたためです。

 ニューヨーク土産は決ってマグロを中心とした「にぎり寿司」でした。時にはボストン

マグロも入っていたようです。在モントリオールの家族及び知人首を長くして、口を大き

く開けて寿司の到着を待っていたものです。

 モントリオール/カナダ入国の税関での手荷物検査で度々寿司発見され、今と違い税関

職員「にぎり寿司」に対する知識皆無、特に女性職員好奇心をもって質問種々浴びせられ

ましたが、幸いにも没収ということ一度もありませんでした。

 鶴首していた家族他一同の喜びここに記述するまでもないことです。時間的に言えば銀

座の寿司屋のお土産折詰を中央線、立川市位迄持ち帰るようなものでした。しかし大きな

違いは国境を越え、税関を通ったマグロ中心の「にぎり寿司」でした。