『山は富士、魚はマグロ、家庭の魚食力をつけよう』


〜〜回答編〜〜

質 問

2才の息子はお肉より魚が好きです。生魚はまだ食べさせていません。幾つくらいから、どんな魚を食べさせたら良いでしょうか?(共働きの主婦より)

回 答

最近、おかげさまで徐々に質問箱に投書が入るようになり、まことにウレシイ限りであります、ありがとう皆さーん!

一気に全てにお答えしたいのはヤマヤマではありますが、ここんとこ手一杯でしてねえと言い訳しつつ、優先順位の高い案件から採択させていただきます、おっと、へんなとこで役人言葉、出ちゃいました!
ま、これでもヤクニンのはしくれですからたまにはねっ(笑)。
とにかくオカーサン、乳幼児のことは最優先に、以下、お答えいたします〜。

2歳といえば、離乳食たけなわ。
ウチには上が8歳、以下6歳、4歳と、3人の子らがおりますが、離乳時には全員が同じものを与えられています。
お乳が離れ始めて積極的な自我が出始めた、そのあたりで与えたのは「ダシ」です。
積極的な自我、というのは味覚の面でも、積極的に何かを探ろうとする時期だと思うのです。
ダシをメインで味わったあと、そこに煮崩れた野菜が入ったり米が入ったり。
魚肉はそのまま飲みこんでも大丈夫です。

で、どのようなダシかといいますと、イワシやアジやトビウオの煮干、カツオ節、マグロ節、昆布などの単品ダシを、毎日きっちりなめさせ、それをベースに単純な取り合わせの離乳食に仕立てたのです。
その他の脂の乗っていない魚の肉からとったもの、陸上のものではキノコ類や野菜類、ごくたまには赤身の肉なども。

何かといいますとね、それぞれの味のエッセンス、原点を遥かなる幼児の記憶に持っていてほしいからです。
最初から複雑で濃くて手放しにおいしいものを与えていると、大人になってからも味覚が受身になってしまうであろう、というのが僕の考えです。
受身の味覚では豊かな日本の食文化についていけない。
わが国には、ゴーヤちゃんぷるのウマニガな味、蒸したニンジンやピーマンの渋い甘み、塩辛やクサヤやなれ鮨などの臭ウマな濃厚味、はたまたワラビやふきのとうのような、はかない味を舌先で探る世界などなど。

以上を実行した結果、ウチの子らは、煮アナゴの頭をしゃぶり、タイのおかしらを散り散りにカジリたおし、ピーマンもネギもニンジンも生カジリし、学校の給食は甘くてダメ、ゴーヤちゃんプルもゴーヤが少なすぎてダメ、などと、まっとうな評価を下しつつ成長しております。

というわけで、ダシと野菜を欠かすことなかれ、オカーサン、面倒くさいかもしれないけれど、どうかやってやってくだされ。
それをアナタ自身が楽しむことです。
かつて戦後、多くの浜でお乳が出ないとき、イワシがたくさん獲れた地域では、代わりにイワシの茹で汁を子供に飲ませ、少し大きくなれば煮干をかじらせたといいます。
それでよかったんです。

ちなみに、日本には「うまみ学会」というものがありまして、今や世界学会にも発展し、「UMAMI」は国際語となっているのです。
いったいなにをしている連中なのかといいますと、あるとき一遍の論文を読んだとき、笑いましたねえ。

乳児の小さい顔写真が2ページにわたって60枚ほども並んでいて、いろんな表情をしている。
これね、ガラス棒の先に何をつけてなめさせたらこんな顔しました、というレポートなんです。幸せそうな安らかな顔、それはまさに全て、「ダシ」をなめさせたときのもの。
安らかに育て!
オカーサン、ヨロシク!