『山は富士、魚はマグロ、家庭の魚食力をつけよう』


〜〜回答編〜〜

質 問

夏のサカナは何を食べたらいいですか?

回 答

 イワシとサンマとカツオを味わってみてほしい。この3種は、この時季強烈に旨くなってくる夏バテ対策の青ザ力ナだ。特に数年間の不漁が続き、痩せっぷりが目立っていたあのマイワシが、今年は実に見事だ。皮をはげば雪を1ミりも塗りつけたような純白の脂が血合いの朱と対比する美しさもさることながら、こいつの切り身にひと塩当てて針ショウガで食うのは粋であるし、手開きにしてチリチリ揚げたフライに醤油をサッとかけまわし立ち上る香り、ザックリかじるときの青ザ力ナならではの風昧は、本格夏に向かう勇気を奮い立たせてくれる。千切りキャベツは別途レモン汁で和えておいて、イワシと共に口中で噛み合わせつつ食い進むのがよい。
 イワシと並んで今年旨いのはカツオである。四ツ割りひとサク500円も、夜のスーパーでは300円台。3本くらいは買い求め、晩酌にカツオ刺、更にこれを二ン二ク・ショウガ・大葉醤油に漬けておいて翌日朝から盛大に炊きたてメシを喰らうのがカツオの醍醐昧であって、夏を蹴倒す力が湧いてくるだろう。
 最後のサンマの「味の旬」は夏であって、秋は「漁獲の旬」であることお忘れなく。この時季、オホーツクの刺し網で獲れた値の良いサンマは、食ってみねばその価値はわからない。薄塩を当てて30分ほど置き、焼く前に再度塩を振って、裏7、表3で焼き上げる。骨ごとブツブツ箸で切って、骨と身と腸を同時に噛み締めるのが、この時季の通。肛門の前後3センチこそは、誰が食うかでケンカしてはいけない味。しかし奪っても食いたい強烈な旨さは、秋へ向けての前哨戦だ。