『山は富士、魚はマグロ、家庭の魚食力をつけよう』


〜〜回答編〜〜

質 問

私はカツオのたたきが好きなのですが、時々たたきだけではものたりなくなります。かといって生はイヤなんです。夏休みに入ったので、ちょっと手の込んだものでも作って親に食べてもらいたいなと思っています。親は仕事でいっぱいなので夏バテしないように元気の出る料理を作れればと思います。何かいい料理はないでしょうか。

回 答

なんと、10歳の女の子から、こんな質問が来ました! 小学校の5年生?? ちょうど社会科の授業で水産業のことなんか学ぶ頃かな。

カツオ好きでタタキが好き。なんだけれども時々いささか物足りないと。カーッ、言ってくれるねえ。手の込んだものでも作って仕事で頑張る親に食べさせたい、って、泣かせてくれるじゃないの!

よし、君の好きなカツオで勝負しよう。
今年は特にカツオの脂が乗ってて特においしいね。どんどん食べよう。

しかし、「 ・・・かといって生はイヤなんです」ときたかあ・・・
ま、とりあえず、生の食べ方も少し紹介させてちょうだいよ。いろんな食べ方ができるところが、サカナのいいとこなんだからね、ヨロシク。

まずはウエカツ定番の塩使いで塩カツオと【塩カツオめし】だ。

【塩カツオ】
@カツオのサクの皮をひき、粗塩をたっぷりまぶして皿に置き、ラップをして冷蔵庫で10分。
A流水で塩粒を洗い流したら、キッチンペーパーで水気をきっちり拭く。
Bこれを刺身に切って、すりショウガ、または千切りにして水でさらした針ショウガで食べる。

【塩カツオめし】
@塩カツオを包丁で細かく叩いてボウルにとり、日本酒を小さじ1杯と、塩サバくらいの塩加減になるよう塩を加える。
Aご飯が炊き上がったら、千切りして3センチほどに切ったショウガをカップ1杯、1センチくらいに小さく切った三つ葉と共に、カツオをご飯に混ぜ、再び炊飯器の蓋をして3分待つ。
B蒸らし終わったら、蓋をあけてもういちどまんべんなく混ぜて出来上がり。

この味はびっくりするよ〜、
カツオめしを、ご飯と一緒に炊き込んじゃうと、肉がボソボソするけれど、このやり方だとご飯の余熱でふんわり火が通ってジューシー。生を直接混ぜたって、生臭みなし!

次に、鹿児島の料理で、これまた塩を上手に使った料理をご紹介。夏の暑いときにはさっぱりしておいしい。大根とカツオのサラダみたいなもんだね。

【つかんまぜ】
@カツオのサクを手でかきとるようにつかんでちぎってボウルに入れる。
A1本分の大根を千切りにし、同じボウルに入れる。
Bここに、小さじ1杯の日本酒をふりかけ、粗塩を少しずつ加えて混ぜていって、甘味が出てきたらそこで完成。

ね、たったこれだけ。
カツオの身をつかんでちぎって混ぜるだけだから、『つかんまぜ』。
これに少しレモンの汁をしぼってもおいしいし、大人が食べるときは、これに一味唐辛子を振ってもいいし、洋風にしたければ、粗挽きコショウやオリーブ油を混ぜてもいい。そして、混ぜていくと大根からおいしい汁が沢山出てくる。これを冷やして飲んでもおいしいんだよ。大根の汁は消化を良くする酵素をたっぷり含んでいるからね。

次に夏バテに最高に効くカツオの食べ方を教えておこう。
この料理はね、普通のタタキよりも味にパンチがあるし、夏の香味野菜がたっぷり効いて、体力回復には最高。『香味漬け』だ。

【カツオの香味漬け】
@ボウルに醤油をカップ1杯注ぐ。
Aここに、醤油の塩辛さがまろやかになるまでミリンを少しずつ加えていく。これが漬け汁。
Bニンニク1片、ショウガ1片はすりおろし、青シソの葉やミョウガは刻み、漬け汁に加え混ぜ、5分置く。
Cここに刺身に切ったカツオを加えて混ぜ、ラップをして冷蔵庫で20分。
Dザルで余分な汁気を切ったら、これで完成。このあとたっぷりのすりゴマで和えてもいい。

これをねえ、スライスして水でさらしたタマネギと一緒に熱いご飯の上に乗っけて、バックバク食うのは、そりゃあホントにうまいものだ。熱いほうじ茶で茶漬けにしてもいい。

さてさて、いよいよ本格的に“生じゃない”カツオ料理にいってみるか。
カツオの肉って、サカナよりも肉に近いと思う。けれども熱を通しすぎるとすぐに固くなっちゃうんだ。そこで焼肉風に食べるにあたり、こんなふうにしてみた。

【カツオのすりリンゴ焼き】
@ボウルにタマネギとリンゴ(酸っぱ味のある紅玉がいい)を一個分、ショウガとニンニク1片をすりおろす。
Aここに酒大さじ1を加え、醤油を少しずつ加えながら甘辛めに調味し、粗挽きコショウ少々を振る。
Bここへカツオを3センチ角に切って20分ほど漬け込む。
Cフライパンにサラダ油を熱し、まずカツオを転がすように表面だけ焼いたら、漬け汁を少しかけて、転がしながら焼いて、ジュクジュクと沸いたところで出来上がり。

この焼肉風の料理は、もともとは農業に使う鍬で焼いたところから「くわ焼き」と呼ばれている。
ポイントは、すったタマネギとリンゴの酵素でカツオが固くなりにくいこと。リンゴの甘味って、サバやカツオには実によく合う。意外でしょ?

最後に、もし、カツオが余るようだったら、『ふくめ煮』を作ってみよう。あせらずゆっくり味をしみこませてやわらかくするのでふくめ煮という。作って冷蔵庫へ入れておけば、1週間は食べられるオカズです。

【カツオのふくめ煮】
@カツオのサクを1センチほどの厚さに切る。
A鍋に日本酒と醤油を同量入れて、厚切りにしたショウガと、刻んだ青シソの葉を加える。
B一度沸騰してアルコールがとんだら、カツオを入れ、強火のままアクをとる。
Cアクが少なくなったら、中火にし、あまり沸騰しないように気をつけながら、煮汁がヒタヒタになるまでゆっくり煮詰めれば完成。だいたい30分くらい。

この料理の食べ方にはいろいろあって、たとえば、皿の上でほぐしておいた身を、熱いご飯に乗せて煮汁をかけて食べるとか、ほぐし身を塩もみして水でさらしてしぼったキュウリと酢の物にするとか、あとはお茶漬けにもいいし、卵焼きに混ぜてもいい。一回作っておくと、いろいろ使えて、忙しいときにも便利です。

さあ、夏休みは終わったけれど、まだまだ暑い日が続いています。

あなたのおさかな料理でダラダラ残暑を吹き飛ばせ!!