マグロの持続的利用について 活動 4

マグロ資源の保存・管理のため、国際機関・関係国政府等と連携し、協力と情報交換をしています。

マグロは高度回遊魚。広い海洋を大回遊しています。そのためマグロ資源の保存と最適利用には、マグロの回遊する地域の全ての関係国(沿岸国・遠洋漁業国)の協力が必要です(国連海洋法条約第64条)。協力は関係国の加盟する地域漁業管理機関(RFMO)を通じて行われています。世界には以下のとおり5つのマグロRFMOがあります。

(みなみまぐろ保存のための条約=1994年発効)
〔事務局キャンベラ(オーストラリア)〕
○日本、豪州、ニュージーランド、韓国、インドネシア、南アフリカが加盟。
台湾、EUは加盟国ではないが、拡大委員会のメンバーとして実質的に議論に参加。
○ミナミマグロの保存及び最適利用の確保。
・管理方式(MP:Management Procedure)による総漁獲可能量(TAC)の設定および国別割当の導入。
・漁獲証明制度(CDS)の導入。

(全米熱帯マグロ類条約=1950年発効)(2010年に発効したアンティグア条約により修正)
〔事務局ラホヤ(米国)〕
○19か国+台湾、EUが加盟。
ボリビア、ホンジュラス、インドネシア、リベリア、チリが協力的非加盟国として参加。
○東部太平洋水域におけるカツオ、マグロ類等の資源の長期的な保存及び持続的な利用の確保。
・FADs規制、まき網禁漁期・禁漁区の設定、メバチに関するはえ縄漁業の漁獲上限設定。
・太平洋クロマグロの総漁獲可能量(TAC)の設定及び国別割当の導入。
・メバチ統計証明制度の導入。
・運搬船へのオブザーバー乗船による、はえ縄漁船の洋上転載監視制度の導入。
○サメ類の保存管理措置の導入。
○海鳥及び海亀保護措置の導入。

(大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約=1969年発効)
〔事務局マドリッド(スペイン)〕
○52か国+EUが加盟。
台湾、ガイアナ、スリナム、ボリビア、コスタリカが協力的非加盟国として参加。
2019年に台湾の正式加盟を認める条約改正が採択され、これが発効すれば台湾は正式なメンバーとなれる。
○大西洋全域におけるマグロ類(カツオを含む)及びカジキ類の資源管理。
・大西洋クロマグロ、メバチ、メカジキ、ビンナガの総漁獲可能量(TAC)の設定及び国別割当の導入。キハダのTACの設定。
・大西洋クロマグロの小型魚採捕の原則禁止、漁獲証明制度(CDS:Catch Documentation Scheme)の導入。
・メバチやキハダの若齢魚保護を目的としたまき網集魚装置(FADs)の使用規制。
・メバチ及びメカジキ統計証明制度の導入。
・運搬船へのオブザーバー乗船による、はえ縄漁船の洋上転載監視制度の導入。
○サメ類の保存管理措置の導入。
○海鳥及び海亀保護措置の導入。

(インド洋まぐろ類委員会の設置に関する協定=1996年発効)
〔事務局ヴィクトリア(セーシェル)〕
○30か国+EU。
リベリアが協力的非加盟国として参加。
○インド洋及び必要に応じ接続する諸海におけるマグロ類(カツオ、マグロ、カジキ類)の保存及び最適利用の促進。
・キハダの国別漁獲上限の導入。
・メバチ統計証明制度の導入。
・まき網FADs規制。
・運搬船へのオブザーバー乗船による、はえ縄漁船の洋上転載監視制度の導入。
○サメ類の保存管理措置の導入。
○海鳥及び海亀保護措置の導入。

(西部及び中部太平洋における高度回遊性魚類資源の保存及び管理に関する条約=2004年発効)〔事務局ポンペイ(ミクロネシア)〕
○24か国+台湾、EUが加盟。アメリカン・サモア、北マリアナ、仏ポリネシア、グアム、ニュー・カレドニア、トケラウ、ワリスエフトナが海外領土として参加。キュラソー、エクアドル、エルサルバドル、リベリア、ニカラグア、パナマ、タイ、ベトナムが協力的非加盟国として参加。
○中西部太平洋における高度回遊性魚類(マグロ、カツオ、カジキ類等)の長期的な保存及び持続的な利用の確保。
 ・熱帯マグロ(メバチ、キハダ、カツオ)漁獲におけるFADs操業の規制、非島しょ国メンバーの大型まき網漁船隻数凍結、メバチに関するはえ縄漁業の漁獲上限設定。
・太平洋クロマグロの国別漁獲上限の導入。
・メバチ統計証明制度の導入。
・運搬船へのオブザーバー乗船による、はえ縄漁船の洋上転載監視制度の導入。
○サメ類の保存管理措置の導入。
○海鳥及び海亀保護措置の導入。

RFMOの対象水域のイメージ図